カエサル(ガイウス=ユリウス=) Caesar ( Gaius Julius )(ラテン語)

 …「象」(「よい気分、満足」「ユピテル(「父なるゼウス(「輝く神」)」)の子孫」また

  は「産毛のように柔らかい」)。

  cf. 姓のカエサルは、ポエニ戦争でユリウス一門の一人がカルタゴ相手に善戦し、その

  戦功からカルタゴの言葉で象を意味する「カエサル」(フェニキア語 carsai)とあだ

  名され、それが家名になったとされる。別説には、古いエトルリア語のカエサリエス

   caesaries 「髪の毛ふさふさした」(これだと、スエトニウス著『皇帝伝』中のあだ名

  「禿の女ったらし」に込められた含みが分かる)やラテン語のカルド cardo 「切る」

  がある。英語のシーザー。ドイツ語のカイゼル、カイザー。ロシア語のツァーリ。

  フランス語のセザール。

   名前のガイウス Gaius は個人名に当たり、「よい気分、満足」。

   氏族名のユリウスは、古いラテン語 Jovilios 「ユピテルの子孫」の短縮形であると

  される。ラテン語のユピテル Jupiter は、ギリシア語の Zeu pater 「父なるゼウス」

  が語源。 Zeus は「輝く神」(インド=ヨーロッパ祖語 deiw 「輝く」を経た deiwos

  「神」から)。または「産毛のように柔らかい」を意味するラテン語から。

   なお、ユリウス Julius は独裁官の時代に7月(カエサルの誕生月)の呼称となっ

  た。イタリア語ではルーリオ。英語のジュライ July 。それまでは1年の始まりが3

  月であったため、クィンティリウス(「5番目の月」)とされていたものを変更。